今回はダウンについて書いてみます。
ダウンとはニワトリなどの陸鳥はなく、アヒルや白鳥のように水の上で生活をする水鳥から採集したもの。
近年は動物愛護の観点から、ダウン専用に強制飼育されたり幼鳥の羽を採集されることはなくなり、食用に飼育された水鳥の羽のみが使用されています。
(ただしグースは換羽期の採集は認められています。)
ニチワレリュームでも、お客様から「革は動物愛護の問題大丈夫なの?」と質問されることがあります。
革もダウン同様に食用を使用します。
なので、どちらもその副産物として無駄なく有効活用しているので、毛皮だけのために育てられた動物のように、動物愛護問題に取り上げられることはないのです。
ダウンジャケットを購入すると、下げ札にダウンとフェザーの比率が記載されています。
鳥の羽を英語でフェザーといいますが、これはまさしく軸を中心に両脇に板の様な部分がある状態の羽根。
そして水鳥の胸の部分に生えている、羽軸を持たないタンポポの綿毛のような部分をダウンといい、水鳥1羽から5~30gしか採れなく、大きい程良質で貴重とされています。
綿毛のようなダウンは、その隙間に暖かい空気をたくわえられる仕組みになっているのが特徴。
「それなら100パーセントダウンでいいじゃない?」と思われるかもしれません。
ご自身のダウンジャケットの表示を見ると「ダウン80%:フェザー20%」と混率が記載されていますが、けしてコストを下げているためではございません。
ダウンの羽毛は、細くて柔らかい大きい繊維のため、たくさんの空気層が作られるので保温性に優れているグースダウンと、小さいけど弾力があり回復力が高いので、ペチャンコにならないようにダウンジャケットに張りを持たせるダックがあります。
それらの特徴を活かすべく、保温性に優れているダウンと弾力のフェザーの、それぞれの利点をいい具合にブレンドして作られるのが優れたダウン製品となり、一般的には8:2又は9:1の比率が良質とされています。
またグースとダックでは、グースの方が一般的に上質だと思われておりますが、羽毛の質は鳥の種類や飼育環境によっても異なります。
体温によって暖められた空気が羽の隙間に留まり保温効果が持続させるダウンは、空気中の水分を呼吸するように集めたり放出することで、更に持続性を維持してくれるのはご存知でしょうか。
羽毛は湿度にあわせて毛先を開閉させるので、繰り返し使用しても膨らみが失われず、洗浄すれば何十年も使い続けることが可能です。
環境にあわせて生き物のように変化し、湿気や温度を調整してくれるのは、まさにレザー製品と同じ。
ダウンもレザーも天然素材が生み出してくれた冬のマストアイテム。
そんな素材がタッグを組んで作られたレザーダウンジャケットは、冬の防寒着としてはまさに最強アイテムといえるのではないでしょうか。
今回は革中心ではなく、中綿として使われるダウンについて書いてみました。
この時期に書いてもピンと来ないかも知れませんが、秋口になってそろそろダウンやレザーの購入を検討される時期になりましたら、是非参考にしていただければと思います。
さて次回も革の質問について書きましょうか。
それともそろそろ新作商品について書いていきましょうか。
次回投稿まで考えておきます。